2.改良した装置
このようにして改良した低エネルギー逆光電子分光装置が図2.1である。
測定用の真空槽のほかに、蒸着専用の真空槽を加えた。さらにロードロックを取り付けて、測定・蒸着槽の真空を破らずに試料の入れ替えができるようになった。スピンコートなど、溶液法で作製した試料の測定は飛躍的に容易になった。また、電子源と同じ側に光検出器を配置し、不透明基板が使えるようにした。これで、たいていの基板(金属・半導体)が使えるようになった。集光レンズを真空内に入れてある。
図2.1 改良した装置の概略図
実は、この装置、下の写真のように、某社の超高真空SPM装置を改造したものである。新しく装置を作ろうとしていたところに、装置を廃棄するというのでありがたく使わせていただいた。この真空槽が使い勝手もよく、丁寧に作られている。
図2.2 改造前と改造後
次に、実際にスペクトル測定を行って、分解能・信号強度などを検討した。